淡水貝類研究会

大阪教育大で淡水貝研があった。今日の参加者は例年よりかなり少なく、半分ぐらい。滋賀県からの参加者も私とN君のほか、龍谷大のU西さんだけ(彼を滋賀県に入れるのにはちょいと難があるが)。
N君は、発表時間は短かったがPPの出来はまずまず、ただし喋り方はもう少し練習してきたほうがよかったかも。そのあとは名古屋のTさん、琵琶湖の固有種カワニナの形態学的分類の再検討の話だが、分類基準に自己流をやっちゃいけません(釘)。U西さんはTAFAのデータベースと来週の土日の研究集会の宣伝、これは昨年富山で聞いた話と同じ。長野県のKさんはカワシンジュガイの年齢査定の話。この貝、殻長1センチになるまでに5年もかかるそうな。幼弱なステージを出来るだけ早く通過するのが生活史戦略の基本だろうに、妙なことである。成熟するまでに12年、寿命は60−70年。この間、長距離の移動は不可能なわけだから、撹乱と隣り合わせの生活を送っているたいていの河川生物と比べると、動かざること泰山のごとしと言ってもよい。よくぞ絶滅しないものである。最後に大教大のKさんは、韓国から送られてきた、マツカサガイそっくりの殻を持つオトコタテボシ属の貝と、オトコタテボシそっくりの殻を持つマツカサガイ属の貝の話。「属」の決定はグロキジウムの形態による。これを送ってきた韓国の研究者に、何度も「貝殻とグロキジウムの組み合わせが逆ではないか?」と問い合わせたそうだが、間違いないという返事だったそうだ。まあ、少なくとも、どちらの属も日本固有属でないことは確かだそうな。
そのあとはまず研究室で、次いで店で飲み会となり、国立環境研のSさんや国土環境のYさん、大阪自然史博のIさんなどと話す。Yさんは長らく共生センターの仕事を請け負っておられるので、あそこの面々には詳しく、しばらくその話題をする。サンプルのミミズの中から寄生虫が出てくるので、いずれ分類を頼みたいというような話も出たが、ミミズから出る単節条虫の仲間は分類が難しく、日本にできる人がいない。困ったもの。
2次会の店での飲み会の最中に、ガラス窓の外の小さな坪庭で、イタチが後ろ足で立ち上がって中をのぞき込んでいた。
そういえば、水生昆虫研究者×2が、「コガタさんは大学で『女帝コガタ』と呼ばれている」と話していたが、本当かい?