水上実験室

今日からマニラの南郊、サンパブロ周辺で、JC君とGさんの寄生虫二人組と一緒に2日間のフィールドワーク。昼間は道が混むので朝の6時にホテルを出発し、借り上げタクシーで現地へ向かう。
サンパブロ周辺には7つの火山湖があり、いずれも直径0.5〜1km程度と小さいが、一番深い湖は水深130mを越える。そのうち2つ、養殖業が行われて富栄養化の進行したサンパロック湖と、観光のため養殖が行われず、貧栄養のパンディン湖で寄生虫の予備調査をする。サンパロック湖畔のホテルに荷物を置いて、まず車でパンディン湖へ。

パンディン湖は周辺を熱帯林に覆われ(水源林として保全されている由)、最寄りの駐車場から歩いて5分ほど離れている静かな湖である。Gさんの貝のサンプリング地点は対岸にあり、なんと観光用の筏で渡るのだという。優雅やね。


で、我々も筏で対岸へ渡り、筏の上で素敵な朝食の後(メニューはティラピアの焼き魚、ごはん、淡水エビの煮物、こごみのようなシダの新芽のサラダ、バナナ。ティラピアがこんなに美味しい魚と初めて知った)、これまた素敵な水上実験室を店開きして、予め地元の方に集めておいてもらったハゼとテナガエビを解剖した。筏漕ぎのおばちゃんたちにはかなり奇異の目で見られていたと思う。携帯用の実体顕微鏡だけの作業であったが、グロキジウムと条虫と寄生性コペを発見。この湖は最大水深60mと深く、岸辺が急峻なので、貝を中間宿主とする吸虫類は住みにくいかもしれないと思ったが、急斜面になぜかドブガイ属の貝がごろごろしている。潜れるような底質はないので全身丸出しのままで、妙な感じがする。
午後はホテルでのんびり休養。週末だし、まあいいか。やっとデジイチを取り出してホテルの庭で鳥を探し、メグロヒヨドリ、キバラタイヨウチョウ、キンパラを記録。