フタゴムシ研究事始め

やっと公開にこぎつけた私達のフタゴムシの分類学的再検討論文ですが、日本の(というよりアジアの)フタゴムシ研究の嚆矢といえば五島清太郎によるフタゴムシDiplozoon nipponicumの記載論文です(下のリポジトリからダウンロードできますので、興味のある方は御覧ください)。東大の紀要論文ですが、各器官や組織の微細な構造に至るまで調べ尽くした、41ページもある堂々たる英語論文です。ところでこの論文ですが、驚くなかれ五島清太郎の卒論です。出版されたのは1891年で、五島この年24歳、これが最初の論文です。五島は後に東大教授になっていますが、それにしても弱冠にして恐ろしい才能ですし、指導教員(箕作佳吉、この時33歳)の凄さも想像を絶します。日本の動物学の創成期の研究業績ですが、何度見てもそのレベルには圧倒されます。昔のエリートは本当に錚々たるものだったんですね。

 

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