冬の夜長に

 「動物学者 箕作佳吉とその時代」読書中(まだ途中)。東大の動物学教授(日本人としては初の教授)、箕作佳吉の経歴をたどりながら、近代生物学導入期の日本の政治的背景や政策、日本に導入される元となった当時の欧米の生物学の概況、箕作の学生たち(その中には五島清太郎、石川千代松、川村多実二等もいる)によるその後の各分野の進展などを追っている。20年前に出版された本で、あまり「新しい視点」というのはないのかもしれないが、当時の研究者が生物学の導入に当たって何を重要と考えていたのか、その学術的・社会的背景はどうだったのか、しっかりとまとめられていて興味深い。

動物学者 箕作佳吉とその時代

動物学者 箕作佳吉とその時代