UMAだらけ

博士後期課程の院生A君の研究テーマは某カエルの線虫の分類学的再検討なのだが、今春博士に進学したTさんもどうやら線虫をテーマにするつもりらしい。私は線虫は大昔に生態学的な研究を少しやったことがあるだけなので、分類についてはかなり勉強しなければならない。線虫はなにしろ種数が多いし(一説によると1億種という予想もあるらしい)、本質的には自由生活者で動物寄生性の分類群は一部にすぎないなど、分類学的には非常に難度の高い生き物である。吸虫や条虫のように綱や目レベルで分類群全体を俯瞰できるような分類体系もできていないし、科や上科レベルでもDNAを調べてみたら掃き溜め群らしいのがザラに出てくる有様である。その中でどう研究の手がかりを探していくか、なかなか大変である。未知の生物はそこらになんぼでもいるのだ。