意外な内訳

私が担当している「環境生物学?」という名の生物学基礎の授業は、環境科学部の学生を対象にしているのだが、工学部の学生で理科の教職をとる人も受講している。工学部には生物学と地学関連の講義がないので、他学部まで出張受講しているわけだ。ところで、工学部では今年から「他学部の講義を受講する際は担当教員の許可を得て、それを学科の方に提出すること」という、何のためやら全く判らないメンドクサイ決まりができて、それで工学部の学生たちが入れ替わり立ち替わり「ハンコ下さい」とやってくる。その書類に受講理由も書いてあるのだが、それを見ると意外や意外、「教職を取るのに必要なため」という学生は半分もいない。あとは「高校で生物をやっていないので興味があったから」なのだ。いや、きっとこれは表向きの理由で、本音のところは工学部内で「けっこう単位取りやすい」という評判でも立っているのだろうとは思うが、建て前にせよ、全く知らない学問分野に一から取り組もうというチャレンジの気持ちは、講義をする方としてとても嬉しい。彼らが興味を持てるような授業の組立をあれこれ考えたくなる。