以前、京都のY先生が持ってこられたハリガネムシに関連して、ドイツのS. R.さんに依頼していた別刷りが届いた。ところがそれを見て驚いたことに、これも人体から得られたムシで、しかも日本の例と違ってもう少しやばそうなケースである。実は、S. R.さんの論文には引用していなかったけれど、それと全く同じような症例が中国からも報告されているので、一例報告ではない。この属のハリガネは今まで日本での報告が少なかった属なのだが、今回、人体偽寄生が立て続けに2例も出たということなので、ちょっと首をかしげていた。もしかしたら、他のハリガネムシと違って、何かヒトに接触しやすいような生態を持っているのかもしれない。宿主は何なのだろう。