H部さんちでクロダさんを探す

ちょっとクロダカワニナを調べてみたくなったので,模式産地である兵庫県S市へ採集に出かけた。この模式産地,記載論文にはS市××と普通に地名が書いてあるのだが,その後にDavisが書いたモノグラフでは「(原記載者の一人である)H部博士の自宅の裏の水路」と、ちょっと笑える記述になっている。私はH部先生のご自宅は知らないが、院生の時に記載論文の大字に行ってみたら、そこらじゅうに「H部」という表札の家があったので、まあこの辺でよかろうと採集をした。もちろん、たくさんとれた。
今回の採集は約20年ぶりということになる。前回の心当たりの水路へ行ってみたら,普通のカワニナは沢山いるのにクロダさんがいない。20年前はクロダの方が優占種だったので、おかしいなと思いながら探し回り,4箇所目の水路でようやく見つけた。水路環境に大きな変化はないように見えるが、優占度が少し下った気がする。今後はどうなるのだろう。
その後、もう一箇所サンプリングに行き、ついでに密談×2をしてくる。内輪受けはよくても、旅の恥はかき捨てとばかりに外部者に対しては傍若無人になるヤツというのもいるのだな。