日本最古の用水路

今日は福岡県内の2箇所で魚類採集.豪雨からまだ一週間余りしか経っていないので川に入れるかどうか心配したが,場所を選べばなんとかなる程度にまで水は引いた.

主要な採集地は那珂川水系の裂田水路.裂田水路は日本書記に「裂田の溝(うなで)」として記述があり,考古学的調査からは掘削時期が弥生時代にまで遡るかもしれないという,日本でも最古級の現役用水路である.最近,周辺が遊歩道として整備されたため(写真は生物に配慮して護岸整備をしなかった区間である),以前の鄙びた面影は薄れたが,それでもやはり年月の貫録を感じさせる水路である.勿論,魚類相は那珂川本川と比べて全く遜色がない.
普段なら入ってもほとんど危険のない水路であるが,今日はまだ濁水していた.タモ網を入れてみると,澪筋の部分で急に深くなっており,水深は7,80cmはありそうである.どうやら洪水のため川底がえぐられて地形が変わってしまったらしい.調査にはかなり危険な状態であったが,できる範囲でやるしかない.

タモで慎重に川底の様子を確かめつつ採集.
採集可能な浅瀬にいるのは幼魚ばかりであったが,目的のムギツクとドンコはなんとか数尾ずつ確保できた.もう一つの目的であったカマツカは空振りだったが,今日のコンディションでは無理は禁物.またの機会に譲らざるを得なかった.
午後3時,魚を抱えて,新幹線の那珂川町民専用駅から帰途についた.

これでも新幹線の駅です.一応.
7時30分帰学して獲物の解剖.採集個体数は少なかったが,目的のムシは数個体ずつ確保できた.ひとまずミッション終了である.
採集を手伝ってくれたO本さん.K林さん,H嘉さん,どうもありがとうございました.また機会があれば採集(と飲み会)に行きましょう.