その第一弾で、卒論生のHさんと一緒に神奈川県の某河川へ。ここは、お馴染みK高校の皆さんが定期的に調査している川だが、温泉排水が流入しており、話を聞いた限りでは、冷水性のコモチカワツボハビタットとしては少し妙な気がしていたところ。

川は箱根山の外輪山から流れ出しており、相当な急流である。それにもかかわらず、S先生の案内で行ってみた中流域の河床はごらんのとおりのべっとり状態。この川はあまり流量変動がないのかしら。環境収容力目一杯まで増殖しているらしく、小型個体(今回の調査では”ジャリツボ”と通称した)の割合が非常に高いのが特徴で、あとでこれをカウントするHさんは相当大変なことになりそうだ。


定量採集をするHさんと、手伝ってくれたK高校のOさんNさん。後ろはS先生。
今回の調査内容は水温とDOのロガー測定と、採水、カワツボ密度調査、それに分布の震源地調査である。震源地はだいたい把握できた。この川の上流は砂防堰堤だらけで魚類が自然遡上することは考えられないので、分布の上端への移入はまず人為と考えて間違いないだろう。