国土利用計画審議会の4回目.今日は,具体的な第四次国土利用計画の目標値案が提出された.これは,平成19年を基準として,平成32年に県土の土地利用をどのように変えていくかの目標値である.案によると,森林は204,800ha→203,000haで,県土全体の構成比にして0.5%減.農地は54,200ha→52,300haで,これも0.5%減.そして,道路が14,100ha→15,200haで0.3%増,宅地(工業用地含む)が25,800ha→27,100haで0.3%増.等々.
ところで,この「目標値案」をどうやって決めたかというと,過去10年間ほどのトレンドおよび人口の将来予想値からのシミュレーションに,現在(県庁の)各課で予定している事業による今後の増減分を加味して,さらにそれに望ましい方向性を若干加味して作ったものだという.当然のことながら,委員のほうから,「目標は理念に基づいて設定されるべきで,現状から見込まれるものではない」という意見が続出した.私は,このデータを見て,県の人口増加は鈍化しており(ただし全国的な傾向に比べると,減少に転じる時期は数年送れる見込み),第二次産業人口も減少し,都市の空洞化や限界集落の問題が顕著になっているのに,まだ宅地の増加を見込む理由がわからなかった.そこで,森林や農地から宅地や道路へ転用することは簡単だが,その逆はほとんど不可能であるから,自然保護の立場からの目標値としては,これらの面積の現状維持が望ましいこと,もしさらなる宅地開発が必要ならそれ相応の理由が要ると発言し,次回までに市街地の空き家率のトレンドや閉鎖した工場数のわかるデータを用意して欲しいと事務局に依頼した.宅地面積の増加を目標にあげるならよほど慎重にしないと,スカスカの市街地が増加する一方で緑地面積は減少という妙なことになりかねない.
やっぱり,宅地の「跡地」や管理放棄地などを積極的に緑地へ転換していくための法整備って必要ですね.