Y冨氏来室

来週に迫った陸水学会近畿支部会の事務的な準備,4年生と一緒にラボ掃除,今年度研究費の締め,来年度シラバスの締切.来週は入試と修論の審査が一件とD論公聴会と近畿支部会の当日で,それから貝類学会の申込の締切もあと一週間で,生態学会のスライドの締切が3月4日.うわあ.
昨日は学芸大のY冨氏(ウロコ本の著者.先月まで,博多の海ノ中道マリンワールドで,同氏の監修による「生きもの美肌コレクション〜魚よ君は美しい〜」が開催されていたそうな.行けばよかった)が仕事のついでに寄ってくれたので,現職学芸員であるところのN尾君(ギル人さん)とシゲ君を誘って会食.博物館と学校の連携について,効果的な展示のあり方について,ハードの技術面や小ネタ,研究資金の調達法など,話題は尽きず.N尾君は淡水魚に芸を仕込むことを目論んでいるらしい.子どもの来館者は動物がいるとどうしてもいじりたがるものだが,反応の面白い淡水生物としてはエラビルなんかお勧め.
それから,食事に行く前にY冨氏としばらく話していて合意したのは,博物館や水族館がリニューアルする場合,古い(歴史のある)部分も残すべきだということである.私は以前,新江ノ島水族館で,同館の歴史を偲ばせる展示が何もなくてがっかりしたことがあるが,Y冨氏は逆に,大阪市自然史博物館で,子供のころ熱心に見た記憶のあるトウモロコシかなんかの品種の展示がそのまま残っているのを見て,無性にうれしかったとのことだ.そう言えば,ロンドン動物園でも,最新式の無柵展示と並んで,おそらく100年以上も経過している電車窓式ビバリウムが現役で使われていたが,古さもここまで来ると文化財ものである.古ぼけた建物や展示物であっても,何もかも一新するのは良いとは限らないということはよく考えておくべきだろう(もっとも,Y冨氏の話では,博物館はともかくとして,水族館では,昔の資料はあまり残しておかないものらしい).
それから,Y冨氏もGiantmicrobesがいたく気に入ったようだった.彼の場合,教材研究も重要な仕事であるから,研究費でこのぬいぐるみを買いそろえることもできるわけである(Giantmicrobesは,もともと教材として開発されたものである).うらやましい.