先月,最後にS君と取ったヌマチチブを全部捌く。もう,だれがなんと言おうと今シーズンの実験はこれでおしまいだ。きりがない。
来シーズンは,もう少し手間を減らせるよう,感染実験の手段を再考しなければ,とてもやっていられないということがわかった。親貝150個とその子供たちを1日おきに世話するというのはかなりの時間をとられる。飼育稚貝の生存率が思いのほかに悪かったことも災いした。改善点をリストアップしなければ。
私はカワニナという貝ともう18年来の(!)付き合いになるわけだが,この貝の欠点は何といっても成長が遅いことだ。有肺類ならひと月で親になるのに,カワニナは約1年。生後一ヶ月では,成長のよい個体でもせいぜい殻長5ミリである。この成長の遅さが研究のペースの律速になるのは,ある程度避けられない。ということで,実験生態学をばんばんやりたい人はこれを使っちゃいけません。有肺類かコモチカワツボにしましょう。