額拉士哥2日目

Plenary Sessionと一般講演の開始である。Plenary SessionはR. M. May(この人でなければ始まらない、といったところ)、世界の人口動態と感染症の関連について。
一般講演では、B. Suresの最新の研究成果を聞く。彼は寄生虫の環境毒性学の第一人者で、鉤頭虫への重金属の蓄積などで目覚ましい成果を挙げている研究者である。きっと次は、「寄生虫がいると宿主の組織から汚染物質が除去される」という研究をしてくるだろうと予測していたが、はたしてその通りだった。ある種の鉤頭虫が寄生したヨコエビは、鉛に暴露されても、鉤頭虫の方に鉛が蓄積されるので、自己の組織中の鉛濃度はあまり高くならない。それどころか、寄生虫がいると重金属に暴露してもHSPが分泌されない、つまりストレスを感じなくなっているという。どの鉤頭虫でもそうなるわけではないそうだが、これは鮮やかな結果であった。こうなると、ヨコエビと鉤頭虫の関係は相利共生といってよいものになる。ここまで人の期待を裏切らない講演ができるって本当にすごい。
夕方から、T北大のM君とグラスゴーの中心地に出て、兄貴から土産に頼まれたセルティックのユニフォームなど買いに行く。