琵琶湖から消えた寄生虫

明日のゼミのため,琵琶湖の魚類寄生虫相の約60年間での変化について軽く要約。もっとも,基礎になるデータ収集はだいたい琵琶湖博の方でやっていてくれてるので,それをまとめて睨むだけだが。
最初はさほどにも感じていなかったが,あらためてリストを眺めて見ると,やはり特定の生活環を持った寄生虫のグループが消えているのに気が付く。寄生虫の有無は何個体の宿主を調査したかによって大きく影響を受けるが,そのせいだけではないかもしれない。なお,琵琶湖の魚類寄生虫でこのような変化を調べることができるのは,日本の水域でほとんど唯一,戦前にまとまった寄生虫分類学の研究がなされているからだ。いずれ琵琶湖博の方でも調査結果の総括が行われ,古い年代の調査との比較が行われるだろう。