共生センターへ

エコキャンパスプロジェクトの学生諸君9名を連れて、自然共生研究センターの見学に行く。言い出しっぺは私ではない。私が講義でたびたび共生センターの研究ネタを使わせてもらっていたところ、受講していた学生が自分でセンターのHPを調べて、見学を申し出てきたのだ。私もこちらへ来てからまだ一度も挨拶に行っていないし、センターの魚の寄生虫で欲しい物もあったので、一緒に行くことにしたのである。
センターではお盆中にもかかわらずセンター長はじめ大部分の方が出勤されていた。所内の案内は係のS田さんにお願いする。センター紹介のビデオはアップデートされていた。私も、ここ1,2年のセンターの研究はあまりよく知らないので、一緒に勉強させてもらう。川岸環境の複雑性が魚類に与える影響の研究がかなり進展しているらしい。それにしても、「岸の樹木や倒木が魚のすみかとして重要」などという意見が土木畑の行政サイドの人から出てくるなんて、まさに4,5年前では考えられない心境の変化である。すごいもんだ。
お昼を挟んで(まさに”芋の子を洗うが如き混雑”の河川環境楽園オアシスパークだ)、今年センターの隣にオープンしたばかりの環境学習施設、「水辺共生体験館」へ。…と思ったら、今日は月曜日で閉館である。でも大丈夫、S田さんはこの施設の職員も兼任なので鍵を持ってきてくれ、特別に見学させてもらうことができた。中の展示はしっかりできているけれど、専門の指導解説員は今「養成中」なのだそうだ。去年の7月にこの日記で「箱だけ作って人どうするんだ」みたいなことを書いた記憶があるが、やっぱりこういうところは人を先に付けるべきだろう。どうか「国の施設」の貫録で、ベテラン指導員を常駐させてほしいものだ。
そのあと実験河川へ。何だか私がいた頃よりも植物の遷移が進んでいる感じで、実験河川の岸にはいつの間にかヨシ帯ができ、通路わきにはハリエンジュの幼木が育っている。場所によっては防草シートが隠れるほどに草が茂ったところもあった。
通常の見学のほかに、今日は私の依頼でフナを数個体捕ってもらった(参加の学生諸君、ご苦労様でした)。幸い、今日は曇りがちだったので、胴長もそれほど過酷ではなかったと思う。もし晴天だったら、全く日陰のない実験河川は優に体温を越えるほどの気温になるので、何もしなくても熱射病の危険が高く、胴長をはいて作業などしたら死んでもおかしくないほどの状況になるのだ。めでたく今年生まれの小ブナ4尾と、ニゴイ・オイカワなどをとらえて目的は達成。クール宅急便でH医科大学へ発送された。
実験河川の見学を終えたあと、皆でオアシスパークの世界淡水魚園へ。去年、オープン前の特別入館で見せてもらって以来、1年ぶりである。ここもまたクーラーが効かないほどの混雑。私はフナの発送のため途中で抜け出したが、皆は十分楽しめたかしらん。
どの程度学生諸君の参考になったかは今後彼らにまた聞いてみるとして、今日は本当に盛りだくさんの一日だった。見学と魚捕りにお付き合いいただいたS田さんN村さんはじめ、センター職員の皆さま、ありがとうございました。
余談。オアシスパークのレストランでは「チョウザメ親子ちらし」を出している。
http://www.oasispark.co.jp/institution/FishonChips.html