魚にも悲観的性格とか楽観的性格とかあるのだろうか

応用生態工学会2日目。共生センターのS川さんの,出水に対する魚の反応の研究がとても面白い。横から観察のできる人工水路に魚と隠れ場所になる石積みを入れて,水路の流量を実験的に変動させて行動観察した結果なのだが,一口で言うと,
イカワは,流量が減ると物陰に逃げ込み,流量が増えると出て行く。
タモロコは,流量が減ると物陰に逃げ込み,流量が増えても物陰に逃げ込む。
フナは,流量が減ると物陰から出て行き,流量が増えても物陰から出て行く。
同じようなところに住む魚が,同じ外部刺激にまったく異なる反応を示すというのは,なんとも面白い。小心なタモロコにふてぶてしいフナ,なんとなくわかるような気がする。この行動の差異が生態とどう結びつくのか,先の研究が楽しみ。
ポスター会場で「先生?」と声をかけられた。なんと,最初の勤務大学の卒業生のいとまきさんだった。もう10年ぶりぐらいになるだろうか,今や会社でも中堅の社員として頑張っているらしい。彼女はもともと海屋だが,最近入ってくる仕事は河川のものが多いので,応用生態工学会に勉強に来たのだとか。また機会があれば是非一緒に飲みに行きたいもの(もっとも,彼女は笊なんだが)。