擬態するセルカリア

一昨日の日記で初めて観察して大騒ぎした寄生虫というのは一種のセルカリアなのであるが、体の他に巨大な(といっても長さ1ミリぐらい)付属物を持っているので、「なんでこんな形なんだろう?」とかねがね不思議に思っていた種類である。ところが、一昨日そのセルカリアが水中に浮く場面を見つけて、一気に謎が氷解した。
…これはコペポーダの擬態だ!…
セルカリアの次の宿主が魚で、経口感染する場合、魚の餌生物(のようなもの)に擬態する例はいくつかあって、HPの写真にあるわらわら虫ことEchinochasmusもその一つだ。他にも、まるでボウフラまたはユスリカの幼虫そっくりの動きをする棘口吸虫の一種も見つけたことがある。うーん、ケッタイな格好をしたセルカリアには芸がある、と疑ってかかった方がよさそうだ。こういうセルカリアはなかなか見つけにくいものであるが、なんとか写真を撮りためて(もちろんモデル生物も)「寄生虫擬態博覧会」をやってみたいものだ。道は遠そうだが。