YouTuber風卒論発表

卒論発表会でした。今年の卒業生はもろにコロナ禍中に大学生活を送った世代ですが、なんとかここまで来られたことは感無量です。

ところで、今日の発表でちょっと面白かった(?)のは、どう見ても「YouTuber風」な喋りで発表する学生が数名いたことです。具体的には、

・大教室で発表しているのに声を張り上げない、一対一のような喋り方。

・早口で空白の少ない、立て板に水のごときトーク

・強調したい語句のみゆっくり伸ばして発音。

ポインターを駆使しつつ「こちら、〜になります」のような指示語の多用(これは悪くない)

・「〜でーす」「〜まーす」のように語尾を強調する傾向。

なんともオンライン世代だなあと思う喋り方で、動画を見ていると思えば不思議と違和感がなくなるのですが、対面の研究発表ではやはりよくないと思いました。聴衆が自分でデータを吟味し、考える間を与えない一方通行の喋り方なのです。スライドのデータを見て「おや?」と思うことがあっても、立て板トークで流されてしまうと、それについて頭の中で考えをまとめることができません。研究発表は自分の意見を一方的にご披露する場ではなく、聴衆にもデータを見てもらって一緒に考え、それについて議論する場ですから、そういう喋り方をする必要があります。もし院進する学生がいたら、自分がそんなふうに喋っていないか、一度よく見直して、他人の意見を聞いてみるとよいでしょう。