卒論発表会

卒論発表会でした(4年生と教員のみで対面実施)。コロナ禍で昨年春は大学への登校自体が出来ない状態で,下宿に飼育ケースを並べて昆虫を育てた人、自宅で植物を栽培してデータを集めた人、過去の卒業生のデータと比較して考察をした人、皆いろいろ苦労して工夫した卒業研究でした。打ち上げの飲み会はできませんが、例年以上にお疲れさま、と言いたいです。

今日の発表の中でとりわけ面白かったのは理論生態学の研究室の学生の発表でした。「協力の進化」に個体の移動を加えたらどうなるか、というもので、グループ内の「協力者」の比率が一定以下になると「協力者」はそのグループを去って他に移動するが,「離反者(協力をしない個体)」は基本的にいつも「協力者」より適応度が高いのでよほどのことがなければ移動しない…という仮定。何だか,どういう人がいつブラック企業を見限って転職するか、というリアルな話に直結しそうでした(なお、卒論の結果では、どのような情報を利用して所属グループを”見限る”のかによって、「協力者」ばかりの平和な企業(?)が安定解になったり、「協力者」と「離反者」が混ざりあう企業が安定解になったりするようでした)。