物々交換

別の研究室の学生が二枚貝を採集してきて、種類を教えてくれとやってきた。ところで外見だけによる二枚貝の同定は難しいので文献をあれこれ探していたら、その間のお喋りで卒論のテーマはタナゴ類だという。ちょうど寄生虫の検査用に数尾欲しかったので、手に入らないかと聞いてみたら「今いる」という返事。ラッキー。彼が研究室に魚を取りに行っている間、私も必要な文献を書類棚から見つけることができ、戻ってきた彼と魚と論文のトレードを行った。取引成立である。

そして検鏡してみると、案の定ヒレにも鱗にもたっぷりとムシがいるのであった。淡水魚マニアの間で「銀鱗タナゴ」と呼ばれているものの正体がこれである。鱗の根元にメタセルカリアがついて鱗が若干浮き上がった状態になると「銀鱗」となり、鱗の下の皮膚に潜り込んで免疫反応によりメラニン細胞が集合すると「ゴマ」となる。

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