寄生虫学会2日目

昨日は寄生虫学会2日目で、やっと生態学・系統学関連のセッションが始まった。K松君の発表は、ちゃんとした対照実験はまだのようだが、そこが固められれば面白いことになりそう。うまくいけば淡水魚群集の研究者の頭上に爆弾投下できるかもね。
系統のセッションでは、テニア(有鉤条虫など)がエキノコックスの側系統群という話を聞いてへえと思う。形態はずいぶん違うけれど、確かに生活環は似ている。ヒトに特異的なテニアである有鉤条虫の姉妹群はハイエナ寄生で、同じく無鉤条虫の姉妹群はライオン寄生というのは業界ではけっこう有名な話で、ヒトがアフリカで食肉動物のニッチを占めるようになった時期も推定されている(論文はこれ)。テニアが単系統ではないとなると、ヒト特異種に関する部分の結論は変わりそうにないが、もちろん系統樹は描き直しでテニア全体の進化ストーリーも大幅に変わる。さてどうなるのか。
2人の研究者の方から、魚から得られたメタセルカリアの同定を依頼される。だれか、m-urabeはメタセルカリアの同定が出来るという誤情報を広めているヤツがいるらしい。日本の魚かと思ったら東南アジア産ということで、ますますもってそんなもの見たことがない。困った。