学会日

昨日からプランクトン・ベントス学会が始まり,私は非会員の当日参加者として参加。基調講演は2011年に生態学会寄生虫シンポでご一緒したスミソニアンのTさんで、海洋ベントスの外来種について緯度や海域別の大域的な傾向のお話。今回は寄生虫の話は少しだけだったけれど、寄生虫の場合は隠蔽種が多く,形態による種同定だけでは多様度の評価があまり信頼できないこと、検出率の低さも問題であることから,もう少しあれこれのデータの蓄積が必要かなあという気がした。その後,Tさんと、Tさんを招聘したMさんがサンプル処理をしたいというのでラボへご招待。バッグを開けたら高知で捕まえたという外来種カニがうごうごと出てきた。沿岸域のカニは非常に俊敏なことが多いが,この種はのこのこ歩くだけで、これで移動速度の最大値ぐらいだという。こんな鈍臭そうなカニがどうして本来の生息地外に侵入・定着できたのか、どうもよくわからない。
サンプル処理の終了後,昼からは琵琶湖へご招待した。この前の台風の名残が気になったが,幸い水位はもう下がっていた。驚いたことに,いつもはI上川の河口を閉塞するような形で横たわる河口の砂洲がずっと沖の方へ移動している。増水で,砂洲そのものが沖へ押されたような格好だ。おそらく秋冬の季節風で消滅すると思われるので,こんな珍しい格好の砂洲が見られるのは少しの間だけだろう。TさんMさんと砂洲を歩き、固有種の貝殻などを拾う。

その後,ご両名とは一旦お別れし、夜の飲み会に改めて参加。何人かの同窓生や昔なじみのベントス屋さんたちと久闊を叙す。