この春退職されたK先生から預かった横川吸虫属の長期データの解析にようやく着手する気になった。21箇所の漁協から提供されたサンプルの感染強度データは長いところで43年分にも及ぶ(70〜80年代はデータのない年もあるので、連続データとしては26年分)。さて、この貴重な長期データをどう料理するかが考えどころである。律義に考えれば、第二中間宿主であるアユの感染強度に影響を与えるのは第一中間宿主の密度と感染率、感染貝一つあたりのセルカリア生産量、それに河川の流量だが、過去に腹口吸虫で解析したように(Urabe et al. 2009. Fisheries Science 75: 63-70)、水温や水量などの物理的環境要因だけで意外とさっくり説明できてしまうかも、という気もする。解析はこれからだが、さてどうなるか。