シベリア鉄道見物記

朝9時過ぎ,隣のショッピングセンターにバッグを買いに行こうとしたが、まだ開店前であった。しかし、道端の露店はそろそろ店開きをしていて、そこに現れたのは野生のキタリス。松の実を売っていたおじさんが売り物の松ぼっくりを投げてやるとさっそく拾って林へ戻っていった。
10時、ナターシャさんが迎えに来てノボシビルスクの動物分類生態研究所へ。そこでS先生は滞在費の精算をし、その間他のメンバーは日本へ送る標本のリストを作ったり(ロシアからの標本持ち出し手続きはかなり面倒である)、展示室を見学したりして過ごす。

昼食後.1、2時間ほど時間があったので、かなりの「鉄」であるS先生とK谷さんのたっての希望によりノボシビルスク駅へ。私もこの駅を近くで見るのは始めてである。比較的新しい駅だが,小さなおとぎのお城のようで、大変優美な駅舎である。極東に1ヶ月ほど滞在したことのあるM君が「ハバロフスクに似ている」と感想を漏らしたが、そういえばこのアイスクリームのようなパステルカラーはハバロフスクの高層住宅などにもよく使われていた。

木製の窓枠で囲まれた切符売り場もクラシックな風情がある。天井にはシャンデリア。

おそらく世界一広い範囲をカバーしていると思われるロシアと周辺諸国の路線図。示されているのは旧ソ連の範囲の国々である。ソ連が解体した後も鉄道は共同で運営しているのだろうか。右端にはウラジヴォストク、真ん中あたりにノボシビルスク、左下にはバクー、エレバン等の地名が見える。ロシアの大きさをつくづく実感する。

電光掲示板には、モスクワーウラジヴォストク間を走るシベリア鉄道の列車も表示されていた。長距離列車はノボシビルスクに2時間ぐらい停車するようである。
夜8時頃、アカデムガラトクのホテルへ戻り、ショップへ出かけてバッグの確保。これでなんとか帰りの荷造りができそう。