イタチ、貝、オジロワシ

フィールドステーション滞在もあと1日。深夜のルーチンはK(小)君に任せたので,早朝のルーチンは私がやることにした。ついでに、寄生虫と貝の低酸素に対する応答を見ようと、M君の朝6時の測定に付き合ってヨシ帯で採水。帰りに、ステーションの近くの草むらで何か毛皮を着たものがヨタヨタと走るのを見つけ、とっさに写真を撮った。あとで見ると、丸々としたドブネズミをくわえたステップケナガイタチ(所謂フェレットの原種の一つ)と判明。今年は哺乳類の当たり年らしい。

低酸素水に入れたモノアラガイは、別段のこともなく動き回っていた。考えてみれば有肺類は直接空気呼吸ができるのだから(下の写真。矢印が空気の取り入れ口)、少々の低酸素環境ではこたえないのは当たり前かもしれない。しかし、それならなぜ、溶存酸素の少ないヨシ帯内部に貝はいないのだろうか。貝が多いのはだいたいヨシの途切れたギャップか、川の近くなのだ。

昼にデータを取り終わり、結果をまとめてみた。結果を一言で言うと「寄生虫(宿主の貝かもしれないが)も時差ボケする」ということになった。午後はラボの片づけをし、空き時間に三々五々、最後の自由時間を楽しんだ。9日にオジロワシを見たベチュラの林はねぐらだと思われたので,もう一度撮影に挑戦しに行ってみた。止まっているところを見つけようと林の木々をチェックしながら歩いたのだが,結局こちらが見つける前に飛び立たせてしまった。わずか10mほどの距離だった。急いでカメラを構えたがやはりピントが合わず、せっかく至近距離まで寄れたのに残念な結果になった。