ちょうど今実験中のムシが属する科の分子系統の論文が出たことを知り、早速ダウンロードした。実はこの科については、日本産の代表的な種の標本を1セット、アメリカの若手研究者に送ってあり、彼が筆頭となって分子系統の論文を執筆中である(えらく時間がかかっているけれど…)。そうこうしているうちにイギリスの大家とオーストラリアの大家が先に論文を出してしまったという訳である。若手の彼の方はギョッとしているのではなかろうかと思ったが、データを見ると新規に解析に加わったのは全部オーストラリアの大家が提供した海産種で、米国やアジアの淡水種は含まれていなかったので少しほっとする。淡水種の方に亜科の模式種が含まれているので、命名的にはこちらの方が重要なのだ。それにしても米国のT君、早く論文出してくれ。塩基配列のデータがいつまでも公開されないのはちと困るぞ。