支部会

陸水学会近畿支部会でO津へ。昨年はサボったので2年ぶりに運営委員会に出てみると、会誌発行の話がずいぶん具体化してきていた。私はかねてから、特に保全に関する応用的な分野に関して、それ1本では科学の域に届かないケーススタディ的な調査を重点的に載せる雑誌が必要なのではないかと思ってきたので、これはよい機会かもしれない。ケーススタディに出版の価値が認められているのは、典型的には医学の臨床報告論文がそれだ。臨床報告論文は一人の患者の症例を記述したものが大半であり、それだけでは科学と呼べるものではないが、人の命を救うことが究極命題の医学分野では、どんなささいな手掛かりにも価値が存在する。陸水学の中でも、確たる目的のある応用科学的な分野では、「臨床」に相当する知見の蓄積は価値があるのではないかと思う。それに、生物分野に関して言えば、滋賀県には採集記録などの簡単な記載を載せられるローカル誌が(少なくともメジャーなものは)存在しない。本当ならB博から紀要を出して欲しいところだが、残念ながら実現していない。それで、このようなローカル誌が発刊されることはとても有り難い。同じことは他に奈良と、たぶん京都にも言えるので、潜在的に発刊を喜ぶ人はある程度存在すると思う。
そういえば骨折記念日。