情けは人の為ならず

ロシアの共同研究者からまた文献複写の依頼が来た。今度は日本や中国の文献ではないので調べてみたら、エジプトの雑誌。寄生虫学は臨床医学や獣医学の一部として途上国での需要が多いので、アフリカや中近東、インドなどのローカル医学誌に論文掲載される場合も多い。図書館で調べてもらったが、さすがに国内所蔵なしという回答だった。海外の図書館へ複写を頼むと時間も費用もかなりかかる。ラッキーなことに、ちょうど1年ほど前、エジプトで寄生虫学を専攻している大学院生から日本の古い記載論文のコピーがほしいという依頼を受けて送ったことがあった。彼に文献入手を頼めばちょうどお返しになるし、きっとすぐに対応してくれるだろう。まったく、寄生虫学では入手困難なサンプルや文献のやりとりが必須なので、国内でも海外でも、研究者同志はお互い様、持ちつ持たれつである。