京都水族館

久しぶりに丸々1日休むことにして、オツトメの後(結局カミサマは勘弁してくれず、いつもと同じ時間に目が覚めた)、まだ行ったことのなかった京都水族館へ行ってみた。立案段階から賛否両論あったこの水族館、さてどうなったのだろう。
エントランスはオオサンショウウオの展示スペース。京都鴨川のオオサンショウウオはほとんど交雑個体になってしまっているわけだが、その研究成果の紹介は非常に力が入っている。オオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウオとハイブリッドを並べて展示しているなんて世界でここだけじゃなかろうか。おかげで今度野外で実物に出会っても判別出来る自信がついた。再放流出来ないハイブリッド個体ははんざき研究所とこの水族館に収容しているらしいが、展示水槽にいるだけでもずいぶんな数で、飼育環境としても展示方式としてもあまり良いとは思えない。2,3匹ずつ欧米各地の水族館に譲ったりできないのかとも思うが、ツボカビがいるのでダメかな。
オオサンショウウオ由良川の展示(B博のN井氏によると、ここは当初熱帯魚の展示スペースになる予定だったらしい)を抜けると、突然脈絡なく海獣と海産魚の展示になる。ここまでコンセプトを何も感じさせない水族館というのも珍しい。展示は綺麗だけれども、綺麗すぎてハッタミミズなんかは並べてくれそうにない(笑)。ちょっとだけ「京都の海」のスペースがあり、そこのアカアマダイの展示だけは面白かったので足が止まった。そして極め付けにコンセプトのないイルカショー。最近はどこの水族館でも「イルカに芸をさせる」のではなくて「イルカについて勉強してもらう」ことを重視したショーになってきているけれど、教育のためにはショー形式は相応しくないということに、そろそろ誰か気がつかないものか。昔からショーをやっている古い水族館ならともかく、新しい水族館がショーを導入する必要性など、今はもうないだろう。教育のためなら、整理券を配って少人数グループのガイドツアー方式にした方がよっぽど効果的と思うのだが。
全体的に言うと、計画途中での路線修正がやはり丸見えになっちゃっていて、これから何を主眼とした施設として運営されていくのか、運営スタッフはちょっと大変そうだなと思った。50年ぐらい後に、この水族館は老朽化したアミューズメント施設となっているのだろうか、それとも歴史と経験を積み重ねて地域の宝となっているのだろうか。まあ、大学という集客施設にとっても他人事ではないのだけれど…。