鉄柵の中の自然

今,うちの学部と韓国のD大学との学部間協定が進んでいる。この協定の話が出てきた理由は,先方がDMZに研究所を持っており、60年近くも人の立ち入りを禁じてきた同地の自然環境を(国情はどうあれ)これからも保全すべく熱意をもって取り組んでおられる方がいるそうである。そこで、共同研究の話がウチの学部、なかんずくウチの学科に舞い込んできたというわけである。
協定締結のため,ウチからはN田さんとN間さんが今年になってから2回ほど韓国へ行っている。今日,たまたまN間さんとご飯時に顔を合わせたので、DMZやその周辺の里山や動物の話を聞いた。大学の研究所があるといってもやはりDMZへの立ち入り許可を得るのは容易でないらしく,まだ展望台から眺め渡しただけだそうだが、韓国側と北朝鮮側の里山林の違いなどはよくわかったそうである。希少なカワウソもまだ生息しているという話は寄生虫屋として心動かされる。何年かに一度は周辺でトラの足跡が見つかったと騒ぎになることもあるらしい(もっとも、DMZはトラのホームレンジとしては狭すぎるので,ニホンオオカミの再発見騒ぎなどとまあ同じような状況ではないかと思われる)。
そのうち、卒論や修論で連れていかれる学生も出るだろうが,面白い研究成果を期待する。