頭痛にはムシを

朝起きたらなぜかひどい頭痛がし、昼過ぎになっても治らない。と言っても今日は卒論の提出前日であるので、大学に顔を出さないわけにもいかず、薬で押さえつけて大学へ。
頭痛薬の副作用でぼっとした頭を叩きながら卒論に赤ペンを入れていると、下の研究室のY君が献上品を持って現れた。昨日拾ったキンクロハジロの死体だという。見ると、かなり血まみれの状態ではあるものの(Y君の話ではオオタカの食べ残しであろうとのこと)、内臓はほぼ無傷であり、この時期なので腐敗臭はまったくない。そこでありがたく頂戴し、BB君を巻き込んで早速解剖した。
魚介食であるはずのキンクロハジロだが、解剖してみて驚いたことに、腸の長さが2m近い。鳥の消化管としては相当長い方だろう。おかげで検鏡には非常に手間がかかったが、小型の条虫が山のようにとれ、吸虫も少なくとも2種とれた。私は卒論のペン入れとやりかけの実験があったのでムシの圧平はBB君に任せたが、結局、すべての作業が終了した時は深夜0時を回っていた。
もっとも、ムシ出し作業をしているうちにいつの間にか頭痛も薬の副作用もどこかへ行ってしまった。われながら現金なものだ。
追記。キンクロハジロは脳と胸肉を食われていた。猛禽が獲物の脳を食うことはよくあるそうなので(Y君談)、動物園で鶏頭を猛禽や肉食獣の餌にするのは、単に安いという理由だけではなく、理のあることなのだと納得。