K茂塾に途中参加した。今日は、学生がそれぞれ書いてきた卒論のイントロを文節に解体して、不明瞭だったり複雑すぎる文構造を徹底的にたたき直す作業だった。まず最初にK茂先生が嬉しそうに俎上に上げたのは化学のK原君のイントロの最後の一文だった。これは三行もあるかなりの長文だったが、とにかく全部文節に切り刻んで、主語・述語、修飾関係をすべて引き線で示していく。その分析の結果にK茂氏の曰く、主語が多すぎ(文構造が複雑すぎる)、曰く、別段落で論じるべきことが混入している、曰く、形容関係がはっきりしていない…etc,etc.一言で言えばぼろくそ。
夕方からは研究室の忘年会であった。その席で、当のK原君が不思議そうに首をかしげながらこう言った。「あの一文は自信あったんですけどねえ。だって、ぼくと同じような研究をしている論文に使ってあった文をそのまま書き写したんですから。あんなにボロボロにされるとは思ってませんでした。」
ま、K原君にとっては、既に印刷された論文でも手本にならないこともあるということを学ぶいい機会だったかも知れない。