今年のオイカワ

イカワのサンプルを受け取りにU治へ.途中,電車の中では佐藤克文さんの「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」を大いに楽しませいていただいた.この,最初にもっともらしい研究の経過を書いて,後から「実はこれはウソで」と種明かしするスタイル,いいなあ.さぞや論文のイントロや研究費助成金の申請書のストーリーを作るのがお上手に違いない.
川に到着してサンプルを受け取る.釣り師のKさんの話では赤目の魚が出ているということだったが,今年は外見上はほとんど症状がない.工場の温排水に群れているオイカワ(相変わらず,水面が盛り上がるほどの密度である)を見ても,スレのある個体はほぼ見当たらない.川の流量がこの時期にしては多いためか,はたまた水温の低下がゆっくりなためか.明日からのカウント作業は楽に終わりそうだ.

昼に帰学,その後,今日はなぜか学生が千客万来.その相手をしていたらあっという間に夕方になってしまった.その後は注文していた「寄生と共生」が届いたので斜め読み.編集者に名和先生のお名前が見えたので医学寄生虫が中心かと想像していたが,どうして集めたのかと首をひねりたくなるほどのバラエティ豊かな執筆陣である.主編集者の石橋先生は農学が専門で植物寄生性線虫などがご専門らしいが,アナジャコのI谷氏から農村生態学の下村氏まで入っているとは,まあどういうことだ.

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ―ハイテク海洋動物学への招待 (光文社新書)

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