人権講習会のあり方

昨日,ウチの学部で人権問題に関する講演会(自由参加)があったらしいが,私はアレルギーでへばっていたので参加しなかった.
それはさておき,この大学と前任大学とで,私はそれぞれ一回ずつ,いわゆるアカハラ・セクハラ・パワハラ等の人権に関する講習や講演などに参加したことがあるが,残念ながらどちらも「ためになった」と思える内容ではなかった.前任大学では,ハラスメント相談員と言いながら,まるでカウンセラーのような対応の仕方(「自分の価値感を押し付けず,相手の話をよく聞きなさい等々」)を指導され,被害者の権利のことなど何も説明がなかった.この大学での講演会では,アカハラパワハラにはどういう種類のものがあるか,のお話だけで終わってしまった.勿論,たとえば新任教員の研修などの一環として,このような「学内ハラスメント防止のための基礎講座」のようなことをするのは意義があると思うが,自由参加の講演会ではまず開催の意味がないだろう.実際にアカハラやセクハラをしている人物が,自発的に講習に出席するとは到底考えられないからである.
もし.自由参加形式,すなわち,ある程度アカハラ・セクハラ問題に関心の高い層を対象にした講習であれば,ぜひ「ハラスメントが起きてしまった場合の,大学としての対処・解決方法」を主題にして欲しい.いくら小さい大学でも教職員は50人からはおり,その中に困ったヤツが何%か混じっているのは,ある意味どうしようもないことで.決してハラスメントのない大学など存在のしようがないからである.大事なことは,そのような事態に対していかに大学が迅速に,かつ正確に対応し,被害を最小限に抑えることができるかである.そのために相談員や調査委員会はどのような組織であるべきか,どこまで事態が深刻なら警察に委ねるべきか,東京福祉大のように学内トップ(あるいはそれに近い人)が加害者で,学内の人権委員会等では対処できない場合はどのような手段があるか,等々の,現実的な対応策の講習ならぜひ受けたい.もし.ウチでもヨソでも,こういう自由参加の人権問題講習を企画する立場の方がおられたら,ぜひこのような観点から講師を選んで欲しいと思う.
だってさ,ある程度大学に長く勤めている人だったら,「アカハラ・セクハラの例」なんて聞かなくても,もう大抵実例を知っているじゃない?