私が大学院に進学したばかりの時のこと,卒論生や新M1が研究室で「××(生物名)はだれも研究していないから,研究したい」というような発言をすると,先輩たちから「ならば庭の石の数を数えて論文にしてみろ.まだだれもやっていないぞ」と鼻で笑われた(以前.生態学会でも,どなたかが,この手の論文イントロについて「自分の研究のつまらなさを言っているだけ」と苦言を呈しておられたように思う).以来,私は,「だれもやっていない」は研究の位置づけにはならないということを,大学院生が研究の最初に心得るべきことの一つとして理解しているが,多分,ほとんどの大学で,これに類した指導はされているだろう.
それでもたまには堂々と「××(生物名)を○○(メソッド)した研究はまだない」と書いてイントロができたつもりの論文に遭遇することはあるもので,こういうことを意識して指導しない研究室もあるのかな,と思っていた.しかし,最近,実はこういう人は本気で「庭の石を数えれば論文が書ける」と考えているのかもしれない,と思うに至った.
どうしよう?(頭抱え)