@筑後川

今日は、Q大のK口さんと院生のSさんと一緒に、久方ぶりの筑後川上流へ。改変の進む筑後川、ちゃんと歩くのは2年ぶりになる。何がどう変ったのか、自分の目で確かめたかった。
地元NPO法人のMさんに久しぶりにご挨拶し、完成なった「道の駅」へ行く。ここと、この上流にある宿泊施設とは、建設中のダムの保障事業として国が出資してできたもので、新たに生じた雇用は70人分だとか。
そして件の某ダムであるが、福岡県への用水の確保のために作られた山間部のダムで、そろそろ本体工事が始まるらしく、山肌が一部削りとられて濁水が出ている。こんな山間部から福岡までどうやって水を?と思っていたが、今日やっとその「水の流れ」がわかった。
筑後川から福岡県(主に福岡市)へ回す水は、久留米にある築後大堰で取水する。大河川のない福岡市は慢性的に水が不足しがちな都市だが、筑後川の水を欲しいだけ取水できるわけではない。筑後川の水は、有明海漁業の主力である養殖ノリへの栄養塩の供給源なので、ノリの生育期である冬(もっとも水量が少ない時期)に、大堰から毎秒40tの流量を確保する協定となっている。そこで、渇水期に山間部のダムから放水を行うことで、40tの維持流量を確保しながら福岡市への取水もしよう、というわけだ(ダムを前にMさん曰く「これは大きなため池ですよ」)。そういうことなら、この某ダムのHPに「ダムの目的」としてあった「川の水がなくなると生物は生きていけません。ダムは溜めた水を流すことによって川にいつも水が流れているようにします」といった内容の意味不明の文も、まあわからなくもない。言葉を補えば、「(筑後)川の水が(全部福岡市に持って行かれて)なくなると生物(有明海の養殖ノリ)は生きていけません。ダムは溜めた水を流すことによって(大堰下流の)川にいつも(冬場も)水が(毎秒40t以上)流れているようにします」ということなのだろう。しかし、まあ…
よく考えてみると、滋賀県のように水源を目の前に見ることの出来る地域というのはむしろ少なくて、東京をはじめ大都市では、自宅の水道の水がどの川から来ているかも知らない人がほとんどだろう。食べ物に産地表示があるように、水道水にもその由来の表示が必要なのではないか。自分たちの生活用水を依存している川で、その確保のために何が起こっているのか、水の消費者側がもっとよく知ることが出来るシステムが必要な気がした。
ともあれ、K口さんSさん、今日は本当にありがとうございました。そして、あとをよろしくお願いします(笑)。