十年一昔

一応,世間では「節」と言われる時らしいので,ちょっと所信表明みたいなものを。
この10年間は相当に流浪の生活を送った(3回転職,引っ越し4回)ので,性格がふてぶてしくなったとは思うが,研究対象がそれぞれの職場で細切れにならざるを得なかった。この次の十年間で絶対にやりたいのは,まず琵琶湖産カワニナ類の系統・集団構造と感染抵抗性に関して,感染実験と遺伝的多様性の解析を突き合わせた,定量的にちゃんとしたデータを取った研究をすること(一応,もうスタートしている)。次に,河川の生産性および,陸域も含めた周辺の生物群集と,寄生虫群集の多様度に関する研究を進展させること。こちらの方は,今は,主に方法論の切り口を探してうろうろしている状態なので,次の10年で具体的にどこまで進めるかはあやしいが,「こうすればできる」という目鼻だけは,なるべく早くつけたいと思う。
ただ,「まとまった研究をしたい」ということは,論文の出版ペースを落とすことではない。私は大学という組織を全然信用していないから,時々書いているように,論文執筆は自己の渡世の手段と心得ている。「動きたくなったらいつでも動ける」という自信は,いくつになっても持ち続けたい,いや,持ち続けなければならない。
それから,今後「こういう年配教員にはなりたくない」と思うのは,(1)「私はそれを知らない」と開き直ったり,若者の発言に対して「あんたがそう言ったって本当かどうかわからない」と言い返す,周囲から物事を学ぶ気が全くない教員(いるんだよね…),(2)「私はもう(人生の)夕暮れですから」と言ってすべての責任を回避する”二度童”教員(これもいるんだよね…)(3)人を見る目のない教員(いくら人格者であろうと,こういう人の末期は悲惨です)。
後の記憶のために書いておく…というよりはただの毒吐きか(笑)。まだまだ惑わないとはいかないようで。