寄生虫研究者のタマゴたち

昨日今日は2年ぶりの生態学会出席。このところ生態学会寄生虫学会の日程が重なることが多く、だいたい隔年参加状態になっているので、とても久しぶりに感じる。自分の研究室ではM2のS君がポスター発表、卒業前の最後のひと頑張りである。お客さんの反応はどうだったかな?

今回、一番の楽しみは高校生のポスター発表。カワニナの研究発表で常連のG高校さんは、今年はセルカリアの行動に関する発表で、私が以前から「こうかな?」と思っていたことをきちんと数値にして示してくれた。どこかにちゃんとしたレポートとして発表していただきたいものである。また別のH高校さんはゲナの遺伝子解析、これは私達の論文(Urabe, Nishimura & Shimazu 2012)が元ネタであるが、目黒のWさんと神戸のNさんが指導した模様。ちょうど、論文でサンプルのなかった地域を埋めてくれるデータだったのでこちらもびっくり大感激で、さらに対象種の分布境界がどこにあるか調べてくれるようお願いした。このように(少しは拙著の貢献で)カワニナや川魚の寄生虫を実際に調べてくれる高校生がぼつぼつ出てきてくれたのは本当に嬉しく、今後の寄生虫学の裾野を広げるのに少しでも役に立てばと思う。つたない本ではあったけれど、書いてよかった。