ゼミ準備中

来週のゼミのため文献読み。最近古文書との格闘が多かったので、新しい文献を読むと、何だかあまりの親切丁寧さに嬉しくなる。さて、当面の課題は、なぜ琵琶湖の固有カワニナ類に寄生虫が少ないかという問題。昔から、医学寄生虫学の方では、寄生虫は異所的な宿主よりも同所的な宿主にかかりやすいということが知られていて、実験室内で寄生虫を継代飼育するのには、寄生虫と同じ場所からとってきた貝を使うのが良いとされてきた。このことは、近年は理論的にも実験的にも証明されていて、貝だけでなくいろいろな生物で論文か出されている。さて、そうだとすると、400万年の長きに渡り独自の生物相を維持してきた(はずの)琵琶湖のカワニナにムシが少ないとはこれいかに。しかも、どう考えても寄生者の方が分散力が強くて(種によっては鳥が卵散布したりする)、つまりは遺伝的多様性も高そうなのに。