共食い虫

昼間は物書き仕事をして,夜にちょっと寄生虫のチェックをして帰ろうとしたら,シャーレの中のゲナルコプシスが2個体くっついて(これは,吸盤が移動器官である吸虫ではよくあること),何やらもぞもぞやっている。一匹の腹吸盤がもう一匹の体後端をつかまえ,口吸盤を相手の横腹にくっつけてむにむにと動いている。さらに拡大してよくよく見ると,口吸盤の中を何かがちゅうちゅうと吸い込まれていっている。
…どうやら,共食いのようだ。もっとも彼らにしてみればそんな気は無くて,宿主の消化管から放り出されたため,やむなくシャーレの中をはいまわり,手当たり次第にぶつかったもの(つまり同類)に吸い付いているだけなのだろう。
とにかく,吸虫の食事シーンがよく見えてなかなか面白いので,ビデオに撮ろうかと思いつき,あれこれやってみた。最初に実体顕微鏡につないでみたが,この吸虫は小さいので,倍率を最高にしても,口吸盤の中の動きまではとても映らない。そこで顕微鏡に持って行ってCCDカメラ経由で取り込もうとしたら,何が悪いのか,どうしても画像が映らない。さんざんいじくってみたがついに諦め,明日もう一度挑戦してみることに。
先週から,起床・就寝時間を世間並みにしようと努力しているのだが,なかなか実現困難である。