外来寄生虫について

頭の中がぐしゃぐしゃなので,整理のために書いてみる。
・現時点においては,「寄生虫も生態系の一員だから多様性保護のために保全せよ」という意見で社会的コンセンサスを得るのは無理。あくまで人間の健康・財産の権利が多様性に優先する。日本住血吸虫の国内絶滅は医学の勝利であって悲劇ではない。
・移入種に随伴して寄生者が入ってきたとしても,もとの宿主に特異的であるかぎり,在来生態系に何の問題もない。生物防除ではこれを積極的に使い,移入を促進する。
・移入寄生虫が在来種(または個体群)に感染して重篤な病状を起こすときに問題が顕在化する。これは防疫対象を人間や家畜から野生生物にまで拡大することと考えればよい。もとから病害性のあることが判明している種であれは防疫を講じることができるが,移入寄生虫はしばしば原産地では病害性をあまり示さないので,問題が起きてみなければわからない。とりあえず,些細なことでも症例報告を蓄積し,いざというとき防疫体制が敷けるよう。寄生虫の生態に関する基礎知識をためるぐらいしか対策はない。
・移入寄生虫が在来寄生虫と競合するかどうかは,まず競合が本当に起っているかどうかのデータが少ないだろう(要文献調査)。また競合したとしても,上述のように在来寄生虫保全するべき論拠が乏しいので(悪さをせんムシならば容認してもよい,ていどの消極的な態度のみ),一般社会にとってはどうでもよい結果になってしまう。
要するに一般の生物に悪さをするかどうかだけが問題であって,寄生虫が外来か在来かは関係なし。これが現状かな…

※数学オンチ実況中継
セミパラメトリックモデルって,パラメトリックモデルとノンパラモデルのキメラか…?(泣)