宿題は人任せ

卒業生Tさんの論文が受理されました。日本の両生類(たまに爬虫類)にひろく寄生する吸虫Mesocoeliumの再検討です。これは私がずっと前からヘビの研究者Hさんから標本を提供していただいていた宿題ですが、結局Tさんが国内のいろいろな宿主からの新しいムシを入手してHさんの標本共々解析し、ようやく総合的に再検討ことができるようになりました。わずかな変異をもとにたくさんの学名が提唱されてきた属ですが、Tさんの結果では宿主特異性は低く、主に地理的なまとまりで3種程度になるということです。なおこの属の第一中間宿主は陸貝と考えれられています。

Tsuchida, K., Urabe, M., Nishikawa, K., Hoso M., Wu S.P. Addressing the taxonomical confusion of Mesocoelium Odhner, 1910 (Trematoda: Plagiorchoida: Mesocoelidae) in Japanese uroderan and anuran amphibians. Systematic Parasitology (in press)