名物魚の盛衰

今日の午前中は魚類個体群や進化に関するシンポジウムでした。このシンポが開かれた背景には、バイカル名物オームリが資源崩壊によって昨年から全面禁漁になったという事情があります。私もノボシビルスクでよくお土産に買ってきた、とても美味しい魚です。今回、イルクーツクで新鮮なのが食べられるかと期待していたのですが、ちょっと残念です。

オームリ漁獲量(修正・人工採卵用に捕えた親魚のようです。多分)の推移。ここ数年は壊滅的です。発表もスライドもロシア語なので(同時通訳は付きますが)フォローしきれなかったのですが、資源量の減少要因の一つには、近年のバイカル湖の水位低下に伴う繁殖量の減少があるようです。オームリは4〜7歳ほどにならないと漁獲サイズにならないので、禁漁しても資源回復までに数年以上はかかるでしょう。

とはいえ、まだ街のスーパーではオームリを少し見ることができます。塩蔵魚のストックを小出しにしているようです。これはシグという別の魚のオイル漬けですが、オームリもありました。なおシグはオームリと同じコレゴヌス属で、聞いたところによると地元ではオームリ以上に美味いとされているそうです。

今日は昨日と打って変わって暖かかったので、昼に少し会場を抜け出して近くの緑地で鳥探しをしました。今は渡り鳥の端境期であまり種類数は多くないのですが、アカゲラゴジュウカラ、コガラなどを至近距離で見ることができました。