ゼミ日.今週からいよいよ卒論・修論の結果発表が始まる.だが、今日はPPファイルのトラブル(ウィルス感染?)や準備不足のため、4人中3人が再発表を命じられるという情けない結果になった。来週は1日で7人が発表しなければならない.皆々,エンドレスを覚悟せよ.
ところで、近ごろどうもゼミで学生のモチベーションが低く,単なるその場凌ぎの発表会のように思っている人が多いのではないかと疑っている.そうではない。少なくとも自然科学の場合,ゼミに付き物の質疑応答は,単なる批判や揚げ足取りでのために行うのではない.サイエンスの命である「客観性」を確保するためには、他人の目で批判されるというプロセスを欠くことができないからなのだ。批判されない「研究」は科学ではない。
だから学生は、他人(別に教員でなくとも)に頭を下げてでも、自分の研究に対する批判を請わなくてはならない。もし、「ゼミではなるべく質問が出ないでさっさと終わればよい」と思っている学生諸君がいたら、悪いが「科学」系ではない他学部なり他大学なりに転部してほしいと思う.少なくとも私は,そういう学生に、環境「科学」学士号を出してやるつもりはない。
そして、一度やってみればわかるが、他人の研究を批判するというのは大変な時間と集中力を必要とするものだ(だから、多くのエセ科学批判サイトにあるとおり、くだらない研究は批判さえしてもらえない)。批判を請うということは相手にそのような骨折りを要請するということである。であるから、依頼する側は、最大の努力をつぎ込んでベストプレゼンテーションをするのが相手に対する礼儀だ。準備不足のままゼミ発表に臨むということは、結果のできがよいとか悪いとかいう以前に,ゼミの参加者に対して無礼極まることなのである。来週以降、ウチのゼミ生は心してかかるべし!