昨晩はまた若手教員の飲み会に誘われた.大学教員になってまだ3年未満という人が結構おり、新任ゆえのフレッシュな感想や悩み事の数々に耳を傾ける.自分が初めて大学教員になった頃はどんなだったか思い出そうとしたが,完全に忘却の彼方に消えていた.年のせいだけではない…と信じたい.
ややほっとしたのは,初めて講義を担当した感想を「楽しかった.マイクを持って喋るのは気持ち良かった」とポジティブに述べてくれた人が複数いたことだ。大学の教員採用の際は基本的に研究業績で選ばれるわけだが、結局のところ,教員の本業は教育である。大学教員の俸給表は「教育職」であって「研究職」ではない。身も蓋もない言い方をすれば、全然論文を書かない教員でも、教育をきちんとしておれば大学をクビになることはないが、いくら研究をしても講義をサボったりゼミをしなかったりすれば、職務怠慢で懲戒処分の可能性があるということだ。どれほど優れた研究者であっても、講義をするのを辛く面倒に感じる人は、少なくともウチのように学部教育を中心とする大学の教員には向かないし、本人にとっても周囲の学生にとってもあまり幸せではない状態になるだろう。昨日の若手教員諸氏は皆それぞれに講義や実習の楽しさを見つけているようだったので、「教員に向かない」人は含まれていなかったわけだ。よいことである。