水中gossamer

今年も腹口類の出る季節がやってきて、BB君の調査が始まった。今日、カップの中で泳いでいる(というより、浮いて流れている)セルカリアを見せてもらって、こいつらの動き方がようやく少し理解できた。この寄生虫は尾の伸縮がきわめて大きいのだが(動画を見たい方はMOMOで「腹口吸虫」を探して下さい)、水中に浮くときは尾を最大限にまで伸ばしており、蜘蛛の子とまったく同じように、細い糸にぶら下がって水中を漂っているのである。動画では、縮めた尾を伸ばす前に、必ず一度体部を曲げてぐいっと振っているが、この動作の意味もどうやらわかった。少し深い水の中では、体を曲げて先端の吸盤で水底をとらえ、その後、先端部を支点にして体後部を水中に高く跳ね上げてから、おもむろに尾を伸ばし始める。要するに、尾が水流を捉えやすくなるための動作で、水底に不時着したときはこうして再度「離陸」するようだ。