今日の三題ばなし

昨日早めに寝たのがよかったのか,はたまた灸治が功を奏したか(風邪のツボは首根っこだそうだ),とりあえず今日は復帰。
(題一)今日の午前はこの春大学に着任されたH先生の学位論文発表会である。琵琶湖への栄養塩負荷に対する集水域および沈水植物の影響についての多年にわたる研究成果である。発表時間が限られていて,細かい内容まではとても理解しきれなかったが,ちょっと面白いなと思ったのは,ここ10年ほどの琵琶湖南湖の水草の大繁茂は,1994年の大渇水を契機に始まったらしい,ということである。南湖の水深が浅くなったため,それまで深すぎて水草が生えることのなかった地域まで水草帯がどんどん広がり,透明度が上昇してまた水草帯が広がる…という正のフィードバックでどんどん水草が増えていったらしいとのこと。もしこのプロセスが本当ならば,富栄養化した湖沼の水位を一時的に下げることにより,水草を増やして水質改善ができるかもしれない。増えた水草は枯れる前に刈り取って肥料にでもしてしまえば,より効果的に栄養塩除去ができるはず。
(題二)2年前にロンドンの博物館で見つけた貝の小ネタ関連の文献が揃ったので,本腰を入れて書き始める。ところで,一番重要な引用文献は100年以上前のドイツ語の論文である。一応第二外国語でドイツ語をやった人間だし,このくらいの文章は自力で読まなきゃ,と思ったが,分類学の論文はなかなか難物で,つまり辞書にない単語が多いのだ。今日苦労したのはumgangeという単語である。ええままよとドイツ語版googleで用例を検索してみたら,貝の形態の記述でumgangeに茶色の線があるとか断面がひし形などという文が出てきた。多分,英語のwhorl(螺層)だろう。よし,whorlで決定!(間違ってたら誰か教えてね)。
(題三)今日の午後,実習助手のT田さんに「先生のblogでもえるるぶのこと見ましたよ!先生って,面白い方をご存知なんですね!」と言われた。
T田さん,アナタもよくご存知のはずですよ…。