今度新種記載する寄生虫とそのスケッチを,念のため師匠に見ていただいたのだが,返ってきたスケッチを見ると,私が観察できなかった器官が描き込んであった。もう一度顕微鏡で標本を確かめてみたが,どう顕微鏡の設定を変えてみても,師匠の書き込みにあるような構造が見えない。
実は,他の研究者に見えるものが見えないという経験は前にもある。院生の時,私は貝のアイソザイム分析をしていた。ある時,指導してくださった先生が,私のゲル板を見て「ここにもバンドが出ているね」と指さされたのだが,先生の指先をいくら見ても,私にはバンドが見えなかった。「斜めからゲル板を見たらわかるよ,ほら」とか仰るんですが,どうしたって見えない。
困り果てて「見えません」と師匠に返信したところ,あっさりと「×40か×100で観察します」という返事。だから,その倍率で見たって見えないのよ(泣)。根本的に目の能力が悪いのだろうか。どうか私を開眼してください,カミサマお師匠様。
T門さんから学会関係のことで電話。ついでに,ビワコオオナマズが欲しいのならK大の釣り部の学生に連絡をとってくれる,とのことなので,ありがたくお願いする。まもなく当の釣り部の学生から電話があり,天ケ瀬でオオナマズが釣れたら電話をくれることになった。シーズンには,一晩で7尾を引っ掛けたこともあるそうな。これは楽しみである。
今日はゼミ以外はひたすらスケッチの仕上げ。職人の世界に閉じこもる。
おっと,数え歌を忘れていた。六つむやみに雪が降る♪