本屋は土地の顔

大学からの帰り、南彦根駅寄りにあるわりと大きな本屋に寄ってみる。見ると専門書もそれなりの品ぞろえで、こんなローカル駅近郊の本屋としては上出来だ。専門書でも話題の本ならすぐに現物を見られそうだし、時々覗いてみることにしよう。
ところで、いろいろな地方都市の本屋の生物学関係のブックシェルフの前に立つと、そこの土地の大学の生物学教官の顔が妙によく見えるものだ。栄ブックセンターでは昆虫の本が妙に幅を利かしているように感じたし、天神のジュンク堂にはダーウィン本だけが並ぶ棚がある。学生たちが教官から勧められた本を注文しているうちに、だんだん本屋自体がその大学のカラーに染まっていくのだろうか。まさか、本屋が「あの大学にはこういう研究室があるからこんな本が売れるはず」とまで探りを入れているわけでもあるまい。
それで南彦根の本屋はというと、目に付くのは環境と動物行動(!)の本の品ぞろえの良さである。それに、熱帯雨林生態学の本がちょっとアクセントを添えている。いやあ、しっかり「それらしい顔」してますねえ(笑)。